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NBONBOについて

NBOとは?

NBO(えぬぼ)は、出生から約生後3ヶ月までの早期の親子関係を支援するための介入ツールです。
赤ちゃんは、言葉の代わりに色々な行動や反応使い分けて、私たちとコミュニケーションをとっています。
NBOは、その日・その時の赤ちゃんの行動を、赤ちゃんの親・ご家族と専門家と一緒に観察をします。
目の前の赤ちゃんが今伝えていることを一緒に発見し、その子の魅力・強みや課題を共有できるよう設計されているユニークなツールです。

NBOへ参加した親にとって、生まれて間もない我が子とface to face・eye to eye等で相互交流を図る機会を得られることは、親としての安心・自信を得たり、精神的な安定に繋がることが明らかになっています。
また、NBOの主役である赤ちゃんにとって、出生早期における養育者との間の相互作用経験の質は、子どもの脳の発達と機能を促進すること、その後の情動の安定やコミュニケーション能力の獲得にも良い影響がある可能性も示されています。
また、私たち専門家が、NBOを通した関わり方を知ることで、目の前の赤ちゃんの持つ力やベストパフォーマンスへの関心が深まり、その時の赤ちゃんが行動で示していることを親・家族と一緒に気づき・読み取りながら導いていけるようになることで、支援者としての自信ややりがいにつながるという成果も示されています。

早期の親子関係を支援するための介入ツール

今、目の前にいる赤ちゃんが、親御さんや私たちへ伝えようとしていることを感じ取れますか?

赤ちゃんが生まれて数ヶ月間は、赤ちゃんにとって、親・家族にとって、人生における大きな移行期を迎えています。
重要な時期を過ごす個々の赤ちゃんと親、家族の移行期を支援するすべての専門家にとって、NBOは、使いやすく柔軟なツールとなるようにデザインされています。

Infant-Focused Approach, Family-Centered approach, Relationship-Based Approach

NBOの主役は赤ちゃんです。
NBOは、専門家が一般的な赤ちゃんのことを説明するのではなく、今目の前のお子さんが行動を通して伝えているメッセージを親・家族と一緒に感じとる・一緒に発見する 親子間の関係性を促進するための「子ども主役・家族主体」の体感型プログラムです。

Strength-Based Approach

赤ちゃんのサイン、動き、反応を意識的に観察をしていくことは、“今の赤ちゃん”が、私たちに何を伝えているのか、Yesなのか、Noなのか、興味があるのか、まだ関心がわかないないのか、心地よく過ごすためにどんな支援をして欲しいのか… などを理解することを助けてくれます。
今のお子さんの長所を生かしながら、周りの環境にうまく合わせていくためには?
NBOセッションに参加をした親・家族と専門家で、意見を交わしながら一緒に探していきましょう。

NBOが活用できる場所

NBOはさまざまな臨床場面や文化・習慣のある環境において、また、多様な課題に直面している家族に対して有効です。
世界中の産科・NICU/GCU、地域母子保健等の現場における家族支援、継続支援外来、家庭訪問、産後ケア、療育支援等、様々な現場で活用することができます。

早期の親子へ支援を行う多様な専門家が活用できるツール

生後3ヶ月までの赤ちゃんと親・家族への支援をしている/同じ課題に向き合う専門家が、色々な場所で活用しています。 看護師・言語療法士・作業療法士・産科医・児童精神科医・小児科医・助産師・新生児科医・精神科医・ソーシャルワーカー・保育士・理学療法士・臨床心理士…
多様な専門家が、それぞれの職種の強みを活かしながら、一緒に使えるツールです。

親子支援の際の共通言語として活用できるツール

赤ちゃんを行動学的・発達学的な視点で観ていくことは、目の前のお子さんの好みや個性を捉えることを助けます。
赤ちゃんにどんな繊細な能力があるかを親が気付けるように導ける機会や我が子に対する親の思いや考えに気づく機会に繋がります。
また、NBOを通した親子の物語は、親子をより深く理解するための支援者間の共通言語として、多職種連携の潤滑油となります。

理論的枠組み〜赤ちゃんのAMORと親のAMOR〜

生後2-3ヶ月の間の赤ちゃんは、新しい子宮外の世界へ適応するために、段階的に課題に向き合い調整をしています。
発達学的観点から、NBOでは、これらの課題をAutonomic/Physiological stability(自律神経系), Motor regulation(運動系), Organization of State(状態系), Responsiveness(応答性)の頭文字をとり、Baby AMOR(赤ちゃんのAMOR)と呼んでいます。

NBOは、赤ちゃんと親のAMORを基盤として、親子の出会いの様相を確認しながら、両者の調整機能の発達を維持・促進することを念頭に置いています。
NBOセッションを通して、子どもの発達学的調整と課題のあり様、親子関係における情緒的同調・相補的相互作用、親子間・親間の共同調節が自然な形で表出されることを目指しながら関係性を支援していく方法です。

すべての親は、親になる移行期において、発展の機会と危機的状況に陥る機会の可能性の両者を伴っており、潜在な不均衡と再構成とをくりかえす状態にあると言われています。
NBOでは、このような時期にある親の重要な心理的調整プロセスを理解していくことを意図し、Affect regulation(感情調整), Mentalise(メンタライゼーション),Openness(オープンネス-開放性), Responsiveness(応答性)の頭文字をとり、親のAMORと呼んでいます。

NBOを学ぶこと、実践すること Using the NBO

“教える、評価するとは違った赤ちゃんのことを一緒に観察する中で、赤ちゃんのことを一緒に発見したり、気づいたりして、共有できる関係を築いていくことの大切さ。ご家族への尊敬や信頼を寄せ、オープンであたたかにかかわることが、いかに大切か。親御さんの開いている窓口を意識しながら、そこへアクセスすること。”
2020年受講 Aさん 公認心理士・臨床発達心理士
“目の前にいる母親(父親)と赤ちゃんのありのままの様子を観察し、共有し、赤ちゃんから学ぶという場を楽しむことを学びました。”
2021年受講 Cさん 精神科医
“このスキルは母子の早期から育児支援に携わる者として、是非学びたいセッションでした。トレーニングを終えてからは、赤ちゃんからの発信を養育者と共有することが楽しくなりました。養育者への伝え方も大切な要素となりますが、このトレーニングによりコミュニケーション能力も見直す機会になるので、多くの方に受けて実感していただきたいです。”
2016年受講 Bさん 助産師/2018年認定